第四大戦Ⅰ
人類は有史以前から人外と鎬を削ってきたーー。
STORY
世界の遺跡・遺物や文献を詳細に分析すると、地球上では人類と人外勢力との世界規模の大戦が少なくとも三度行われたことが判明している。主人公・安条世羽は、幼い頃に家族を「鬼」に惨殺されるも彼自身は無傷で生還。成長した世羽は鍛錬を積み、大学受験の予備校に通う一方、人外駆除のための組織「浄化班」に所属し日々人外との戦いの場に身を置いていた。果たして彼は、四度目の大戦を画策する人外の目論見を挫くことはできるのか……!?
登場人物
安条世羽
19歳。幼い頃に人外である鬼・由布鷹正に襲われ家族を失う。以降は鍛錬を積み、人類保存委員会に所属。下部組織である七十六浄化班に配属となり、人外を駆除する「実務」にあたる。コールネームは「ヨハネ」。最初の鬼に家族を奪われる事件を含め累計三回も人外勢力によるテロ事件に巻き込まれるが、いずれも生還する。その経験から「生存者(サヴァイバー)」という自らの特殊能力を意識しはじめる。自分は何があっても死なないのではないか……。
乙野綴
19歳。世羽と同じ予備校に通う女の子。清楚な見た目で非常に可愛らしいが、好奇心が旺盛な一面も。世羽は彼女に好意を寄せているが、実は彼女も世羽に惹かれているようで、積極的にアプローチしてくる。
兎神静歌
22歳。人類保存委員会所属。世羽と同じ七十六浄化班の常勤スタッフ。コールネームは「シズ」。世羽が師事していた兎神夕轟の娘であり、世羽にとって姉のような存在。「しぃーっ」、「あぁー」、「うぅー」といった声しか発することができない。この症状は先天的なものではなく、何らかの出来事がきっかけになっているはずだが、本人も覚えていない。人外駆除の時はマスクとバトルスーツに身を包むが、普段着はワンピースなどを着用している。
龍ヶ迫つぼみ
年齢不詳。いずれにせよ、童顔のため、かなり若く見える。人類保存委員会所属。現七十六浄化班班長。コールネームは「ドラゴン」。タイトなボンテージスーツの上に赤いコートを羽織り、ピンヒールのニーハイブーツという出で立ちで人外との戦いに臨む。指揮能力は折り紙付きだが、部下に対して生ぬるくはない。時代に逆行して厳しめである。
逆白波アロヲ
年齢不詳。半吸血鬼。半分人外だが、ある事情から人類に与しており、「協力者」として浄化班の活動に参加する。世羽と行動を共にすることも。なぜか外に出るときは晴れていても傘を差している。一見すると普通の人間と変わらないようにも見えるが、凄まじい力を発揮できる。眼鏡。気だるげ。実際、だるいのかもしれない。
猫又
年齢不詳。アロヲと同じく人外だが、人類に与している。真の姿は年を経て尾が二つに分かれた雌猫だが、たいてい人間の若い女性に変身している。人類保存委員会に籍を置き、七十六浄化班に所属。常勤スタッフであり、コールネームは「ネコ」。世羽とはそれなりに長い付き合いで、彼女なりに親しみを持っているようだ。なお、彼女に親近感を抱かれた人間は、もれなくからかわれたり、ちょっかいを出されたりする。猫だけに。
裏林観音
19歳。世羽の高校時代の同級生。現在も交流がある。彼女の兄はさまざまな銃器や違法なアイテムを扱う「ミロク堂」の主人・裏林弥勒で、世羽はその常連。丸いフレームの眼鏡とゴシックロリータ風の服装を好む。欲望に忠実だが、包み隠さず本心を見せるタイプではない。世羽のことは一応、友人だと思っているようだ。
由布郎女
鬼。人外。世羽の家族を惨殺した鬼・由布鷹正の妹。兄の件で逆白波アロヲを目の敵にしており、常に復讐の機会をうかがっている。また、その魔手は世羽に及ぶことも。鬼なので角と牙があるが、モデルのような体型で容貌は愛らしい。そのため、帽子を被っていればまず「鬼」と気づかれることはなく、人間社会に溶けこんで生活している。二挺の剣鉈を常時携帯。人外だけに人間離れした身体能力を誇り、何度も世羽を苦しめる。
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